犬の『股関節形成不全(こかんせつけいせいふぜん)』の原因と対処

犬の『股関節形成不全(こかんせつけいせいふぜん)』の原因と対処

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股関節(こかんせつ)とは、足の骨を支えている骨盤(こつばん)と太ももの骨がつながっている部分です。この部分に異常が出てしまうことを『股関節形成不全(こかんせつけいせいふぜん)』、もしくは『股異形成(こいけいせい)』と呼びます。

『股関節形成不全(こかんせつけいせいふぜん)』についてまとめてみましたので、以下の文章を参考にして、少しでも怪しいと思ったら、かかりつけの獣医さんに相談してみてください。

犬の股関節形成不全(こかんせつけいせいふぜん)の症状

股関節形成不全は、生まれてすぐは分かりにくいのですが、生まれてから半年から1年ほど経ってくると以下のような症状が現れます。

  • 歩くときにふらつく
  • 歩くときにお尻が左右にゆれる
  • 歩くときに後ろ足がそろって跳ねる
  • 座るときの動作がおかしい
  • 動くことを嫌がる

股関節形成不全は、まれに前足でも見られますが、ほとんどの場合は後ろ足に出ます。さらに、左右のどちらか片側だけに発症することもありますが、ほとんどは両側に見ることができます。また、これらの症状が進んでくると股関節に炎症を起こすこともあります。

股関節形成不全になった犬の動画がありました。実際に見てもらう方が分かりやすいと思うので、ご紹介したいと思います。

1つ目で紹介する動画は、先ほど症状のリストの中にあった『歩くときにお尻が左右にゆれる』に該当するものですが、これは女優のマリリン・モンローから取って別名『モンローウォーク』と呼ばれています。かわいい歩き方に見えますが、犬としては歩くときに足が痛く、その痛みをなんとか抑えようとしている無言の叫びなので、こういった歩き方をしていないか注意して見てあげましょう。

2つ目に紹介する動画は、同じく症状で紹介した『歩くときに後ろ足がそろって跳ねる』に該当するものです。こちらは『バニーホップ』とも呼ばれています。こういった歩き方に対しても『モンローウォーク』と同じように注意してあげてください。

股関節形成不全は、大型犬でよく見ることができます。股関節関節症にかかりやすい犬の種類はコチラにまとめておりますので、自分の犬が入っていないか一度確認してみてください。まれに小型犬で発症することもありますが、体重が軽いために悪化することはあまりありません。その代わり、小型犬は膝蓋骨脱臼によくなるので、その点は注意してください。

犬の股関節形成不全(こかんせつけいせいふぜん)の原因

股関節形成不全は、いくつかの理由により起こります。原因と考えられているものをリストアップしてみたので心当たりがないか確認してみましょう。

遺伝によって

股関節形成不全のほとんどが、遺伝が原因だと言われています。特に親が股関節形成不全症の場合、生まれてくる子どもの9割近くが、同じく股関節形成不全になると言われています。特に大型犬には多く、小型犬には少ない傾向があります。詳しい犬の種類については、コチラを参考にしてみてください。

環境によって

大型犬などの場合は、股関節の急な成長に対して、足の筋肉の成長が追いつかないということがあります。そこにズレが生まれることによって股関節形成不全を引き起こす可能性があります。そういった状態のときに、運動をしすぎたり、その犬種のふつうの体重よりも重かったり、カルシウムを摂り過ぎていることによって悪化してしまいます。

犬の股関節形成不全(こかんせつけいせいふぜん)の治療法と費用

股関節形成不全になっているかどうかは、まずヒアリングや触診などを行います。また、X線によるレントゲン診断や超音波によるエコー診断を行うこともあります。状況によっては、関節液検査やCT検査やMRI検査を行うことがあります。レントゲン検査などの場合は、1万円程度の費用になりますが、CT検査やMRI検査が必要になった場合は10万円ほどになる場合もあります。その結果、股関節形成不全と診断されたときに始めて、治療を行っていくことになります。治療法はいくつかあるので、以下を参考にしてみてください。いずれにしても独自の判断で悪化することもあるので、まずは獣医さんと相談することが大切です。

様子を見る

小さいころに股関節形成不全になっていても、成長にともなって自然と良くなることがあります。しかし、一時的に痛みがなくなっただけということもあります。いずれにしても、様子を見るという判断は獣医さんと相談してから決めてください。
様子を見る場合は、他の項目の『体重を軽くする』や『環境を改善する』を参考にしてみてください。

体重を軽くする

股関節形成不全(こかんせつけいせいふぜん)の原因でも説明しましたが、体重が重くなることでさらに足に負担をかけてしまいます。悪化を防ぐために、カロリーを制限をして体重を軽くしていきましょう。

環境を改善する

普段生活している環境が、犬の足に負担をかけている可能性があります。特に、フローリングの場合は、すべらないように足に力が入ってしまうのでマットを敷くなどしましょう。他にも、なるべく階段を登らなくても済むようにしたり、足に負担がかかるような無理な運動はしないようにします。Amazonでいい商品がないか探してみると、犬を意識しているのか、犬がモチーフになった滑らないフローリング用の絨毯もあるようです。

薬を使う

炎症が起こっている場合には、炎症を抑える飲み薬などを使うことがあります。飲み薬の使い方については、コチラで詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

手術をする

『恥骨筋切除術(ちこつきんせつじょじゅつ)』という手術がありますが、術後がよくないことが多いために最近ではあまり行われないようになりました。また、体重が20kg以下の犬に対しては、『大腿骨(だいたいこつ)』の骨の頭を切り取って痛みをやわらげる『大腿骨頭切除術(だいたいこっとうせつじょじゅつ)』、別名『偽関節形成術(ぎかんせつけいせいじゅつ)』が有効だと言われています。また、『若齢期恥骨結合固定術(じゃくれいきちこつけつごうこていじゅつ)』と呼ばれる、股関節に電気を通すことによって骨の成長を止めてしまう手術があります。他には、骨盤を切断してボルトによりつなぐことにより脱臼を防いで炎症をやわらげる『二点骨盤骨切り術』もしくは『三点骨盤骨切り術』というものがあります。最後に、欧米で盛んにおこなわれており、最近日本でも行われるようになった『大腿骨』の骨の頭を切り取ったあとに人工の骨に差しかえる『大腿骨頭全置換術(だいたいこっとうぜんちかんじゅつ)』というものがあります。いずれの手術にしても、入院費や薬の費用なども一緒にかかる場合が多く、費用としては数十万円から100万円近くなることも珍しくありません。

股関節形成不全(こかんせつけいせいふぜん)になりやすい犬の種類

股関節形成不全(こかんせつけいせいふぜん)になりやすい犬の種類を『あいうえお順』にリストアップしてみたので、この中に自分のわんちゃんが入っていないか確認してみてください。

  • グレート・ピレニーズ
  • ゴールデン・レトリーバー
  • ジャーマン・シェパード・ドッグ
  • セント・バーナード
  • ニューファンドランド
  • バーニーズ・マウンテンドッグ
  • ラブラドール・レトリーバー
  • ロットワイラー

最後に

以上、犬の『股関節形成不全(こかんせつけいせいふぜん)』の原因と対処法でした。

『いぬまとめ』では、犬についての症状についてなるべく正しい情報を詳しく解説しようと思っていますが、この記事を元に犬の症状が悪化した場合や、その他の変化があったとしても、大切な家族に対して責任を負うことはできません。素人が判断するのは危険なことも多々あるので、最終的には飼い主であるあなたが責任をもって獣医さんと相談してみてください。

もしこの症状についてお気づきの点やご質問がある場合は、遠慮なく『いぬまとめ』までお問い合わせください。我々は今後も『より良い犬と人の関係』のために尽くしていきます。

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