犬の『腎不全(じんふぜん)』とは?原因と対処法

犬の『腎不全(じんふぜん)』とは?原因と対処法

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腎不全(じんふぜん)は、腎臓の機能が低下してしまうことによって起こる病気です。犬の死因の第三位にもなっています。ちなみに、第一位は癌(がん)で、第二位は心臓病です。

腎不全(じんふぜん)を詳しく説明していく前に、腎臓(じんぞう)の役割を説明したいと思います。簡単に言うと、腎臓は体の中の掃除屋さんと言えます。つまり、腎臓が機能しなくなると、体の中にあってはならないゴミや毒が貯まっていきます。これが貯まってしまうと、最悪の場合は死に至る病気になります。

犬の腎臓(じんぞう)は、掃除をして尿を作っている『ネフロン』と呼ばれる小さな部品が、だいたい80万個ほど集まってできています。この『ネフロン』がだんだんと機能しなくなることによって『腎不全』は起こってしまいます。

また腎不全(じんふぜん)は、大きく別けると2つに別けることができます。1つは、徐々に発生する『慢性腎不全(まんせいじんふぜん)』というもの。もう1つは、突然発生する『急性腎不全(きゅうせいじんふぜん)』というものです。急性にしても慢性にしても早期発見がとても大事になってきます。少しでもおかしいと思ったら、すぐに獣医さんに診てもらってください。

それでは、腎不全(じんふぜん)の症状や原因、対策を解説していきたいと思います。

慢性腎不全(まんせいじんふぜん)の症状

数ヶ月から数年かけて、だんだんと腎臓が機能しなくなっていく腎不全(じんふぜん)のことを言います。平均の発症は7歳くらいで、そこから歳を取るごとに発症の確率が上がっていきます。

慢性腎不全の症状はいくつか段階に別けることができます。ここでは、3つの段階に別けて説明していきたいと思います。

第一段階

機能している腎臓が、全体の25%程度まで減っていく間に、以下のような症状が起こります。

  • 水を飲む回数が増える
  • トイレの回数が増える

暑かったからなどの理由で水を多く飲んでいても見逃してしまうことが多く、この段階で気付いて対処をしなければ、かなり進んでしまうので、少しでもおかしいと思ったら獣医さんに診てもらいましょう。

第二段階

機能している腎臓が、全体の10%程度まで減っていく間に、以下のような症状が起こります。

  • 食欲がなくなる
  • 吐く
  • 以前よりも口が臭くなる
  • 口の中が白くなる

この段階までくると食欲が無くなったり、食べたものを戻したりします。ここまきて初めて異変に気付く飼い主が多いです。

第三段階

機能している腎臓が、全体の10%程度以下にまで減っていくと、以下のような症状が起こります。

  • 以前よりも元気がなくなる
  • 歩くときにふらつく

この段階まで来ると、『尿毒症(にょうどくしょう)』になっている可能性があり、かなり危険な状況です。残念ながら、この段階から長く持つことはあまりないので、いざという時のための覚悟が必要になってきます。

慢性腎不全(まんせいじんふぜん)の原因

冒頭でも説明しましたが、『慢性腎不全(まんせいじんふぜん)』は、冒頭で説明した『ネフロン』が、だんだんと壊れていくことで発症してしまいます。しかしながら、なぜ『ネフロン』が壊れていくのかということについては、残念ながらまだまだ分かっていないのが、実際のところです。分かっているものとしては、次の原因が考えられます。

食事によって

腎臓が処理できる『塩分』、『たんぽく質』や『リン』というものは量が決まっており、それを超えると『慢性腎不全(まんせいじんふぜん)』を引き起こしてしまいます。特に、人の食事を犬に与えている場合は、この処理できる限界を簡単に超えてしまっている可能性がとても高いので注意してください。

他の病気によって

『糖尿病(とうにょうびょう)』や『免疫介在性疾患(めんえきかいざいせいしっかん)』などによって引き起こされることが分かっています。

遺伝によって

遺伝的に『慢性腎不全(まんせいじんふぜん)』にかかりやすい犬の種類がいます。コチラにまとめていますので、これらの犬の種類を飼われている方は、早期発見のために症状には常に注意してください。

急性腎不全(きゅうせいじんふぜん)の症状

たった数日、最悪の場合だと1日で腎臓が機能しなくなります。慢性腎不全(まんせいじんふぜん)で言うところの第三段階まで一気に進み、以下のような症状が見られます。

  • 食欲がなくなる
  • 吐く
  • 以前よりも元気がなくなる
  • 下痢をする
  • トイレの回数が減る

急性腎不全(きゅうせいじんふぜん)の原因

『急性腎不全(きゅうせいじんふぜん)』は、主に3つの原因に別けることができます。

腎臓に入ってくる血液によって

腎臓に入ってくる血液の量が減ってしまうと起こります。具体的には、大量出血、大量脱水、心不全、熱中症などによって引き起こされます。腎臓そのものがダメージを受けていない場合もあるので、場合によっては回復が可能です。

『腎前性急性腎不全(じんぜんせいきゅうせいじんふぜん)』とも呼ばれています。

腎臓そのものによって

レプトスピラ症、ネフローゼ症候群、急性糸球体腎炎(きゅうせいしきゅうたいじえん)、薬や車の不凍液やブドウなどに含まれている腎毒性物質(じんどくせいぶっしつ)、感染症などのダメージによって腎臓の機能が低下することによって起こります。

これは、『腎性急性腎不全(じんせいきゅうせいじんふぜん)』とも呼ばれています。

ブドウが深刻なダメージを与えることには、驚かれる方も多いのではないでしょうか。その他に犬に食べさせると危険なものをコチラに集めましたので、良ければ時間があるときに一度目を通してみてください。

腎臓からの排泄によって

尿路結石(にょうろけっせき)などによって起こります。

『腎後性急性腎不全(じんごせいきゅうせいじんふぜん)』とも呼ばれています。

犬の腎不全(じんふぜん)の治療法と費用

『腎不全(じんふぜん)』の疑いがあれば、血液検査と尿検査をします。この検査には、1万円ほどかかります。

『腎不全』に根本的な治療はないので、様々な方法で進行を遅らせる必要があります。

他の病気を治す

『慢性腎不全(まんせいじんふぜん)』の場合は、他の病気が原因になっている場合があります。そのため、まずはその元となっている病気を治しましょう。費用に関しては、それぞれの病気によって異なってきます。

不適切な食事を与えない

もし、今までに人が食べるものなど、犬にとって腎不全の元になるような食事を与えていた場合は、ただちに与えることを中断してください。症状のところでも説明しましたが、何かしら症状が出ているということは、かなりのところまで進行しています。少しでも進行をためにも、次の項目で説明する適切な食事を与えてあげましょう。

適切な食事を与える

『腎不全(じんふぜん)』は、食事によって進行を遅らせることができるため、とても重要なものです。ここでは簡単に、どういった食事を与えるといけないのか、また与えるべきものについて説明したいと思います。

まずは、与えてはいけないものを挙げていきます。はじめに『タンパク質』です。次に『塩分』です。そして『カリウム』、最後は『リン』です。腎不全になると体の中にある余分な『リン』を捨てられなくなります。これが貯まってしまうと症状が悪化してしまいます。

つぎに、与えるべきものを挙げていきます。最初に『ビタミンB』と『ビタミンC』です。次に『カルシウム』、最後に『オメガ3脂肪酸』です。

これだけ見ても、具体的に何をあげたらいいのか全く分からないというのが、正直な感想でしょう。自分たちで何とか進行を遅らせるような食事を作ってあげようと頑張っている方も多いですが、実際のところ自分たちで作ることは想像以上に難しく、デリケートで気を使います。場合によっては、支えてあげなければいけない、あなたまで体調を崩してしまうでしょう。

獣医さんに相談していると、良くロイヤルカナンが出している『腎臓サポート』という商品をオススメされます。Amazonで調べてみたところ、やはり評価が高いみたいですので、参考までにここに掲載しておきます。

また、ネットで調べてみるとクックパッドなどで腎不全(じんふぜん)対策レシピを公開されている方もいます。先ほど説明したとおり、腎不全のための料理は、とても難しくデリケートです。また、命に関わる問題でもあるため気軽には紹介できないことをご理解ください。ここでは紹介せずに、そういったことを公開されている方もいるとだけお伝えしておきます。

サプリメントを飲む

適切な食事のところで説明した、与えるべき栄養分をサプリメントで補うことも進行を遅らせることに役立ちます。しかし、実際に使うときは問題がないか、獣医さんとよく相談することをオススメします。

Amazonでは、以下がとても評価が高いようです。費用は、この辺りが目安になってきます。

薬を飲む

本来であれば、腎臓が体の外に排出するべきものを代わりに排出してあげる薬です。有名なものとしては、『クレメジン』と呼ばれるものがあります。症状が末期に入っていなければ、進行を遅らせることができます。費用としては、月に数千円程度になります。

点滴をする

『皮下輸液(ひかゆけつ)』とも呼ばれます。点滴をすることによって血液量を増やし、体内の毒素を薄めることが出来ます。1回当たりの金額は、まったく同じ成分でも病院によって異なるので、数百円から数千円と見ておけば良いでしょう。症状が進むと、かなりの数を打つ必要が出てくるので、経済的な面も考える必要があります。

人工透析をする

人の場合は、腎不全になると腎臓の代わりに機会によって血の中の不必要なものを取りのぞく『人工透析(じんこうとうせき)』というものがあります。最近では、犬でもこれが出来るようになりました。しかしながら、まだまだ対応している動物病院は多くありません。

費用としては、1回で数千円から数万円かかることもあり、最初は週に1~2回ですが、そのうち1日に数回行わないといけなくなるので、最終的には膨大な金額がかかってくることになります。

腎不全(じんふぜん)になりやすい犬の種類

腎不全(じんふぜん)にかかりやすい犬の種類を『アイウエオ順』にリストアップしてみたので、この中に自分のわんちゃんが入っていないか確認してみてください。

  • イングリッシュ・コッカー・スパニエル
  • ケアーン・テリア
  • ゴールデン・レトリーバー
  • サモエド
  • シャー・ペイ
  • ジャーマン・シェパード・ドッグ
  • シー・ズー
  • ソフトコーテッド・ウィートン・テリア
  • スタンダード・プードル
  • チャウチャウ
  • ドーベルマン・ピンシャー
  • ノルウェジアン・エルクハウンド
  • バセンジー
  • ビーグル
  • ブル・テリア
  • ミニチュア・シュナウザー
  • ラサ・アプソ
  • ロットワイラー
  • ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリア

最後に

以上、犬の『腎不全(じんふぜん)』の原因と対処法でした。

『いぬまとめ』では、犬についての症状についてなるべく正しい情報を詳しく解説しようと思っていますが、この記事を元に犬の症状が悪化した場合や、その他の変化があったとしても、大切な家族に対して責任を負うことはできません。素人が判断するのは危険なことも多々あるので、最終的には飼い主であるあなたが責任をもって獣医さんと相談してみてください。

もしこの症状についてお気づきの点やご質問がある場合は、遠慮なく『いぬまとめ』までお問い合わせください。我々は今後も『より良い犬と人の関係』のために尽くしていきます。

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