犬の『免疫介在性疾患(めんえきかいざいせいしっかん)』の原因と対処法

犬の『免疫介在性疾患(めんえきかいざいせいしっかん)』の原因と対処法

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犬の免疫介在性疾患(めんえきかいざいせいしっかん)のイメージ画像

動物の体には、『風邪』や『インフルエンザ』などにかからないようにするための防御システムである『免疫(めんえき)』というものが存在しています。

この『免疫(めんえき)』により、病気の原因となる『細菌』や『ウイルス』などが体の中に入っても、それが自分の体の一部ではないことを認識して、白血球(はっけっきゅう)などを使ってやっつけています。

ところが、この『免疫(めんえき)』という体の中の防御システムは、ときどき暴走することがあります。自分の体の一部であるはずの部分を、自分の体ではないと認識することによって自分自身を攻撃します。これが『免疫介在性疾患(めんえきかいざいせいしっかん)』、もしくは『自己免疫疾患(じこめんえきしっかん)』という状態です。

この記事の目次

免疫介在性疾患(めんえきかいざいせいしっかん)の症状

『免疫介在性疾患(めんえきかいざいせいしっかん)』は、『免疫』が自分の体の中のどこを攻撃するかによって、さらに細かく病名が別れていきます。主な病名と症状をまとめてみたので、参考にしてみてください。いずれも一度発症してしまうと、完全に治ることは殆どなく、一生をかけて付き合っていく病気になります。早期の発見が、命に関わってくるのでこれらの症状が出た場合には、かかりつけの獣医さんに一刻も早く相談してください。

免疫(めんえき)が、副腎皮質(ふくじんひしつ)を攻撃する場合

『免疫(めんえき)』が、『副腎皮質(ふくじんひしつ)』を攻撃することによって『アジソン病』と呼ばれる病気になります。主に、以下のような症状が現れます。

  • 以前よりも元気がなくなる
  • 動くことを嫌がる
  • 食欲がなくなる
  • 吐く
  • 下痢をする
  • 体重が軽くなる
  • 水を飲む回数が増える
  • トイレの回数が増える

アジソン病については、説明が長くなるため、違うページで詳しく紹介していきます。

免疫(めんえき)が、軟骨(なんこつ)や滑膜(かつまく)を攻撃する場合

『免疫(めんえき)』が、『滑膜(かつまく)』や『軟骨(なんこつ)』を攻撃することによって『免疫介在性関節炎(めんえきかいざいせいかんせつえん)』と呼ばれる病気を発症します。この病気は、関節リウマチを含める『びらん性関節炎』と『非びらん性関節炎』に別けることができ、主な症状として以下のようなものが現れます。

  • 以前よりも元気がなくなる
  • 動くことを嫌がる
  • 食欲がなくなる
  • 体が熱くなる
  • 足を引きずる

免疫介在性関節炎(めんえきかいざいせいかんせつえん)については、説明が長くなるため、違うページで詳しく紹介していきます。

免疫(めんえき)が甲状腺(こうじょうせん)を攻撃する場合

『免疫(めんえき)』が、『甲状腺(こうじょうせん)』を攻撃することによって『甲状腺機能低下症(こうじょうせんきのうていかしょう)』と呼ばれる病気を発症します。犬の中でもかなり多い『免疫介在性疾患(めんえきかいざいせいしっかん)』だと言われています。これにかかると以下のような症状が現れます。

  • フケが多くでる
  • 下痢をする
  • 毛が不自然に抜ける
  • 全身がむくむ
  • 寒がっているような様子を見せる

甲状腺機能低下症(こうじょうせんきのうていかしょう)については、説明が長くなるため、違うページで詳しく紹介していきます。

免疫(めんえき)が、皮膚の細胞を攻撃する場合

『免疫(めんえき)』が、皮膚の細胞を攻撃することによって『天疱瘡(てんぽうそう)』と呼ばれる病気になります。この天疱瘡(てんぽうそう)は、さらにいくつかの種類に別けることができ、『落葉性天疱瘡(らくようせいてんぽうそう)』、『赤斑性天疱瘡(こうはんせいてんぽうそう)』、『尋常性天疱瘡(じんじょうせいてんぽうそう)』、『増殖性天疱瘡(ぞうしょくせいてんぽうそう)』などの種類がありますが、犬の場合は『落葉性天疱瘡』にかかりやすいことが分かっています。主な症状としては、以下のようなものが現れます。

  • 皮膚に水ぶくれができる
  • 痒がるような仕草をする
  • 毛が不自然に抜ける
  • かさぶたができる
  • 皮膚の色がうすくなる

天疱瘡(てんぽうそう)については、説明が長くなるため、違うページで詳しく紹介していきます。

免疫(めんえき)が、赤血球を攻撃する場合

『免疫(めんえき)』が」、赤血球を攻撃することによって起こり、この病気は『免疫介在性溶血性貧血(めんえきかいざいせいようけつせいひんけつ)』と呼ばれています。血がなくなっていき、貧血になるので、以下のような症状が現れます。

  • 以前よりも元気がなくなる
  • いつもより息が荒くなる
  • 口の中が白くなる
  • おしっこが赤くなる

免疫介在性溶血性貧血(めんえきかいざいせいようけつせいひんけつ)については、説明が長くなるため、違うページで詳しく紹介していきます。

免疫(めんえき)が、消化器官を攻撃する場合

『免疫(めんえき)』が、胃や小腸などの『消化器官(しょうかきかん)』を攻撃することによって『炎症性腸疾患(えんしょうせいちょうしっかん)』と呼ばれる病気になりなります。消化器官のどこを攻撃するかによって、症状は異なってきますが、主に以下のようなものが現れます。

  • 体が熱くなる
  • 吐く
  • 下痢をする
  • 食欲がなくなる
  • お腹が大きくなる
  • 体重が軽くなる

炎症性腸疾患(えんしょうせいちょうしっかん)については、説明が長くなるため、違うページで詳しく紹介していきます。

免疫(めんえき)が、受容体(じゅようたい)を攻撃する場合

『免疫(めんえき)』が、筋肉が神経から指令を受け取る部分である『受容体(じゅようたい)』を攻撃することによって『重症筋無力症(じゅうしょうきんむりょくしょう)』と呼ばれる病気になります。筋肉が動かなくなってしまうので、以下のような症状が現れます。

  • 動きが鈍くなる
  • 食べるのが遅くなる
  • 少し歩くとすぐに休んでしまう
  • 歩く時にフラフラしている
  • 体の一部が動かなくなる
  • 立てなくなる

重症金無力症(じゅうしょうきんむりょくしょう)については、説明が長くなるため、違うページで詳しく紹介していきます。

免疫(めんえき)が、どこを攻撃するか分かっていない場合

『免疫介在性疾患(めんえきかいざいせいしっかん)』の中に、『エリテマトーデス』と呼ばれる病気があります。実はこの病気は、『免疫』がどこを攻撃するか、いまだにはっきり分かっていない病気です。『エリテマトーデス』は、『紅斑性狼瘡(こうはんせいろうそう)』とも呼ばれており、『全身性エリテマトーデス』と『円板状(えんばんじょう)エリテマトーデス』に別けることができます。『円盤状エリテマトーデス』の中には、コリーがかかりやすい『コリー・ノーズ』という病気もあります。これにかかると、以下のような症状が現れます。

  • 不自然に毛がぬける
  • 体が熱くなる
  • 皮膚に水ぶくれができる
  • 皮膚の色がうすくなる
  • 肉球がえぐれる
  • 皮膚が赤くなる
  • 肌がガサガサになる
  • 肌がベトベトになる

エリテマトーデスについては、説明が長くなるため、違うページで詳しく紹介していきます。

免疫介在性疾患(めんえきかいざいせいしっかん)の原因

はっきりしたことが言えないのが、とても残念ですが『免疫介在性疾患(めんえきかいざいせいしっかん)』の原因は、まだよく分かっていないのが現状です。

免疫介在性疾患(めんえきかいざいせいしっかん)の治療法と費用

免疫介在性疾患(めんえきかいざいせいしっかん)は、完全に治る治療法が見つかっていません。一度発症してしまうと、その子の一生の中で根気よく付き合っていくことが必要になってきます。

それぞれの病気についての治療法と費用については、違うページで詳しく紹介していきますが、いずれにしてもずっと付き合っていく病気となるため、かなりの費用がかかってきます。

免疫介在性疾患(めんえきかいざいせいしっかん)になりやすい犬の種類

免疫介在性疾患(めんえきかいざいせいしっかん)にかかりやすい犬の種類を具体的な病気名、また『アイウエオ順』にリストアップしてみたので、この中に自分のわんちゃんが入っていないか確認してみてください。

アジソン病

  • ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリア
  • グレート・デーン
  • コリー
  • スタンダード・プードル
  • ビーグル
  • ビーグル・ハリア
  • ロットワイラー

免疫介在性関節炎(めんえきかいざいせいかんせつえん)

  • 秋田犬(あきたいぬ)
  • シェットランド・シープドッグ
  • ジャーマン・シェパード・ドッグ
  • シー・ズー
  • スタンダード・プードル
  • トイ・プードル
  • マルチーズ
  • ミニチュア・ダックスフンド
  • ミニチュア・プードル

甲状腺機能低下症(こうじょうせんきのうていかしょう)

小型犬では、あまり見られることはなく中・大型犬で多く見みられます。

  • カニンヘン・ダックスフンド
  • ゴールデン・レトリーバー
  • シェットランド・シープドッグ
  • 柴犬(しばいぬ)
  • スタンダード・ダックスフンド
  • スタンダード・プードル
  • ダックスフンド
  • トイ・プードル
  • ドーベルマン・ピンシャー
  • ミニチュア・シュナウザー
  • ミニチュア・ダックスフンド
  • ミニチュア・プードル

天疱瘡(てんぽうそう)

  • 秋田犬(あきたいぬ)
  • カニンヘン・ダックスフンド
  • コリー
  • スキッパーキ
  • スタンダード・ダックスフンド
  • ダックスフンド
  • ドーベルマン・ピンシャー
  • ニューファンドランド
  • ミニチュア・ダックスフンド

エリテマトーデス

  • シェットランド・シープドッグ
  • ジャーマン・シェパード

免疫介在性溶血性貧血(めんえきかいざいせいようけつせいひんけつ)

  • アイリッシュ・セッター
  • アメリカン・コッカー・スパニエル
  • オールド・イングリッシュ・シープドッグ
  • シー・ズー
  • スタンダード・プードル
  • トイ・プードル
  • マルチーズ
  • ミニチュア・プードル

炎症性腸疾患(えんしょうせいちょうしっかん)

  • ジャーマン・シェパード・ドッグ
  • トイ・プードル
  • フレンチ・ブルドッグ
  • ミニチュア・ダックスフンド
  • ヨークシャー・テリア

重症筋無力症(じゅうしょうきんむりょくしょう)

  • 秋田犬(あきたいぬ)
  • ウェルシュ・スプリンガー・スパニエル
  • カニンヘン・ダックスフンド
  • ゴールデン・レトリーバー
  • ジャック・ラッセル・テリア
  • ジャーマン・シェパード
  • スコティッシュ・テリア
  • スムース・フォックス・テリア
  • スタンダード・ダックスフンド
  • ダックスフンド
  • ミニチュア・ダックスフンド
  • ラブラドール・レトリーバー

最後に

以上、犬の『免疫介在性疾患(めんえきかいざいせいしっかん)』の原因と対処法でした。

『いぬまとめ』では、犬についての症状についてなるべく正しい情報を詳しく解説しようと思っていますが、この記事を元に犬の症状が悪化した場合や、その他の変化があったとしても、大切な家族に対して責任を負うことはできません。素人が判断するのは危険なことも多々あるので、最終的には飼い主であるあなたが責任をもって獣医さんと相談してみてください。

もしこの症状についてお気づきの点やご質問がある場合は、遠慮なく『いぬまとめ』までお問い合わせください。我々は今後も『より良い犬と人の関係』のために尽くしていきます。

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